パリ協定の目標達成「到底おぼつかない」 国連報告書

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ワシントン=香取啓介
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 地球温暖化対策の国際ルール「パリ協定」の下で、各国・地域が提出・更新した温室効果ガスの排出削減目標を積み上げても、協定の掲げる気温上昇を抑える目標達成にはほど遠いことが26日、国連の報告書で明らかになった。

 パリ協定は産業革命以降の気温上昇を2度未満、できれば1・5度に抑えることを目標として掲げ、各国に削減目標の提出・更新を義務づけている。「2度未満」の達成に2030年に10年比約25%減、「1・5度」の達成には、約45%減が必要とされる。

 だが国連が昨年末までに提出・更新された世界75の国・地域の削減目標を積み上げたところ、全体で30年までに10年比1%減の効果にとどまることがわかった。気候変動枠組み条約のエスピノーザ条約事務局長は、新型コロナウイルスの世界的流行で各国の削減目標改定が遅れていることに理解を示しつつ、「現在の削減の水準では、パリ協定の目標達成は到底おぼつかない」としている。

 グテーレス国連事務総長は「報告書は地球にとっての危険信号だ。各国政府は1・5度目標を達成できる野心に全く近づいていない」とコメントし、11月に英国で開かれる第26回同条約締約国会議(COP26)までに、主要排出国に強化した削減目標の提出を求めた。

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