【詳報】会見とりやめ 首相「感染状況を見極めてから」

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小野太郎
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 菅義偉首相は26日、新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言の一部地域の先行解除に伴う記者会見を見送った。内閣記者会は会見を開くよう申し入れたが、首相官邸側が拒んだ。代わりに官邸のエントランスホールで記者団とやりとりする「ぶら下がり取材」に応じ、「首都圏で解除の方向性は出ていない。そういう中で内閣総理大臣として、国全体の中で、発言は控えるべきだ」などと述べた。

 会見しなかった理由を記者団に問われた首相は、首都圏で3月7日まで宣言が続くことを踏まえ「最後まで感染の状況を見極め、判断を行った後、きちんと会見を行うべきだ」と主張した。昨年5月に宣言を部分的に解除した際、当時の安倍晋三首相が会見を開かなかったことも理由に挙げた。会見の進行を担う山田真貴子・内閣広報官の接待問題が取りやめに影響したのかについては「まったく関係ない」と語った。

 会場を設けて行われる正式な記者会見と比べ、ぶら下がり取材は長くても数分程度で首相が立ち去ることが多い。ただ、26日は宣言解除の判断や接待問題、ワクチン接種などについて約18分間質疑に応じた。終盤は「最後にしましょう」「先ほどから同じ質問ばかり」などと語り、質問を打ち切った。(小野太郎)

やりとり詳報 「地元の知事の意向ちゅうのも大事」

 菅義偉首相は、関西や東海など6府県の緊急事態宣言解除を決めた後、首相官邸内で記者団の取材に応じた。主な質疑は次の通り。

 【緊急事態宣言】

 ――本日の政府対策本部会議で6府県の宣言が3月7日の期限を待たずに解除されることが決まった。解除に至った理由は。(東京など首都圏)4都県の解除の見通しは。再延長もあり得ますか。

 国民のみなさんの大変な協力で、効果は歴然と表れ、感染者数が減少している。状況を地域ごとに勘案して、先ほどの対策会議で6府県において2月28日をもって解除することを決定した。しかしながら、引き続き緊張感を持って感染拡大防止を徹底してほしい。

 首都1都3県は感染者数は減少しているが、医療提供体制の状況が依然として厳しい状況である。引き続き飲食(店)の(営業)時間短縮を徹底して行っていきたい。

 今後改めて、1都3県については解除の判断を行うが、3月7日にすべて解除できるよう、時短をはじめ、やるべきことを徹底をして行っていきたい。

 政府としては、あらゆることを考えているが、いま大事なのは、やはり感染拡大防止を徹底して行い、3月7日に全国で解除することだ。

 ――福岡県の先行解除は、専門家でも慎重な意見が多いが、今回の判断は妥当だったのですか。

 妥当だったと思う。人数というのは大幅に減少してきてますから。そこは事実だと思う。病床についても減少して基準は満たしている。

 ――先行解除によって、感染の再拡大や、他の地域への影響についてはどう考えますか。

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 そこはやはり地元の知事の意…

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