会見見送りありえない? 全て答える台湾、アピールの仏

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ロンドン=下司佳代子 ベルリン=野島淳 台北=石田耕一郎 シドニー=小暮哲夫 パリ=疋田多揚
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 新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言の先行解除決定にあたり、菅義偉首相は記者会見を見送った。厳しい規制を受け入れる国民に対し、各国のリーダーたちは会見でどんな言葉を送っているのか。

 英国のジョンソン首相は、ロックダウン都市封鎖)に踏み切る際など、頻繁に記者会見してきた。今月だけでも3日、10日、15日、22日と4回開いている。一般の人の質問2問と、記者の質問を5問程度受け付けるのが恒例だ。ソーシャルメディアで中継され、テレビでも生中継される。

 不祥事の際もジョンソン氏が会見で説明し、その受け答えを国民が評価する。

 昨年5月、首相の首席特別顧問(当時)が規制に反し、400キロ以上離れた町まで車で移動していたことが発覚した。

 顧問は妻が発症したため、子どもの世話を親戚に頼もうとしたとされ、ジョンソン氏は会見で「政府は国民に犠牲を強いながら高官はルールを無視していいと考えているのかと皆が疑問に思っている。私は子どもの世話をしてくれる人を見つけに移動することは適切だと結論づけた。他の親と同じように本能に従った」と切り出し、処分しない考えを表明した。

 納得しない記者たちから「ルールではなく本能に従うのか」「ルールを守っている人たちへの侮辱だ」などと厳しい追及を受けても、淡々と自身の考えを伝え続けた。

 ドイツでもロックダウンが続き、市民は忍耐を求められている。メルケル首相と各州の州首相が2~3週間ごとに対策を話し合って開く会見は、リーダーが様々な規制への協力を肉声で求め、市民の苦労をねぎらう機会になっている。

 今月10日の記者会見でメルケル氏は新規感染者が減ったことに触れ、「市民の行動に感謝したい。非常に厳しい措置が効果を発揮している」と述べた。

 新型コロナの流行抑止に成功してきた台湾では、対策本部トップの衛生福利部長(厚生労働相に相当)が流行初期から140日間にわたって連日記者会見に臨み、記者の質問がなくなるまで時に1時間超にわたって対応してきた。対策本部への指揮権を持たない蔡英文(ツァイインウェン)総統も折に触れて会見などを開いて発信してきた。

仏マクロン大統領は節目の会見に批判

 こうした姿勢は、コロナの抑え込みには人々の理解と協力が欠かせないとの考えに基づく。行政の透明化を担当するIT担当相のオードリー・タン氏は1月、朝日新聞の取材に「台湾の人々がマスク着用や濃厚接触者の追跡を受け入れているのは、対策本部が要求したからではなく、その丁寧な説明に納得したからだと思う」と語った。

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 ニュージーランドのアーダー…

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