コロナ禍で苦境の飲食店、生き残りへ新サービス続々

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細川卓 白井伸洋
【動画】タク配にクラウドキッチン、苦境の飲食店を救う新たなカタチ=細川卓、白井伸洋撮影
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 休業や営業時間の短縮(時短)要請など、コロナ禍での苦境が続く飲食店。国内でも医療関係者へのワクチン接種がようやく始まったが、元通りの生活に戻るまでの出口はいまだに見えてはいない。それでも、コロナ禍をどうにか乗り越えようと、生き残りに向け新たなサービスや取り組みに挑戦する動きも広がっている。(細川卓、白井伸洋)

”需要”の近くに、キッチンカーで社会実験

 日が落ちた住宅団地。小雨が降る中、広場に止まったキッチンカーから漏れる光の中で住民たちのさす傘の花がいくつも咲いた。

 大阪府豊中市は今冬から春にかけ、「キッチンカー」の社会実験に取り組んでいる。コロナ禍で苦境に立つ飲食店のサポートと、市民の利便性を高めることが狙い。市内外の飲食店から出店を募集し、市内7カ所の住宅団地や公園で利用者の反応を集める。

 昨夏に初めて実施したところ「外食しづらいのでうれしい」「高齢者には便利」と好評で、出店場所を広げ、参加事業者も2から17に増やした。

 市の担当者は「おおむね好評で、社会実験を重ねて本格実施につなげていきたい」と話す。

 府住宅供給公社の豊中団地で、フィッシュ&チップスやカレーを販売していたのはアイリッシュバー「TAPE’s STAND」の中村ゆかさん。

 「少しずつ常連さんも増えてきて、需要を実感している」とほほえむ。

 中村さんは豊中駅前に店を構えるが、緊急事態宣言が発出されている現在、店舗内での営業を取りやめている。

 「キッチンカーを始めなければお店は潰れていた。新しいお客さんとつながる中で、定着していけばうれしい」

厨房も料理人も、複数店でシェア

 「コロナによる飲食店の閉店を食い止めたい」。そんな思いで誕生した新しい仕組みの店もある。

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 昨年9月にオープンした大阪…

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