傍観者でいられない お菓子作る障がい者施設からSOS

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編集委員・中島隆
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 1月29日。大雪だった山形県酒田市の中心から車で20分ほど行くと、大きな2階建ての建物があった。

 ここは、さまざまな企業に代わって消費者とのやりとりをするコンタクトセンターだ。およそ700人が働く。広いセンター内には、おしゃれなカフェや保育園がある。そして、仕事の緊張をほぐすのはコーヒーブレークの……。

 「お菓子」

 この日あったのは、有名パティシエ監修で東京の障がい者施設がつくった焼き菓子の、お試し販売会だった。

 ここは、東証1部に上場する「プレステージ・インターナショナル」(本社・東京)が、東北と北陸で展開するコンタクトセンターの一大拠点である。

 2020年の夏。代表取締役の玉上(たまがみ)進一(65)は、こんな話を耳にした。

 お菓子をつくっている障がい者施設が、苦しんでいる。販売の柱にしている地域のイベントが、新型コロナウイルスのために中止になっているから。

 玉上には、地方に貢献しているとの自負があった。各地で運営するコンタクトセンターで地域の住民を雇用。さらに、酒田でバレー、秋田でバスケ、富山でハンドボールと、各地で女子スポーツチームを持ち、地域を盛り上げてきたのだ。

 〈よし、福祉でも貢献だ〉

 酒田のコンタクトセンターでの試験販売は大成功だった。雪が消えるころ、本格販売を始める。ほかの拠点や、バレーなどの試合会場でも販売するつもりだ。

 「当初は東京の施設でつくったお菓子を扱いますが、ゆくゆくは、各地域の施設と連携することになるでしょう」と玉上。

 障がい者施設、SOS!

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 これを玉上に知らせたのは…

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