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米軍機の低空飛行は「エアーショー」 都公園協会が謝罪

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佐藤純
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 東京都あきる野市にある都立小峰公園のニュースレターに、在日米軍横田基地(福生市など)の輸送機による低空飛行を容認していると読める記事を掲載したのは不適切だったとして、公園を管理する都公園協会が回収を始めた。協会は22日夜、ホームページに謝罪文を掲載した。

 協会は都の外郭団体。問題のニュースレターは、現地の小峰ビジターセンター発行の「小峰だより」2月号。A4判1枚の情報紙で、表の記事「季節の見どころ ~この時期の、スタッフおすすめの風景~」で輸送機を取り上げた。

 「YJ(ヨコタジャパン)(前編)~多摩の空から~」の見出しで、10キロ余り東にある基地の輸送機が公園付近で低空飛行しているとし、「基地から秋川谷へ続く丘陵地形を舐(な)めるように、そして送電鉄塔群をかわし旋回する飛行は、エアーショーを彷彿(ほうふつ)させます」と説明している。

 また、「世界最高の輸送機と称される」と紹介し、大きく傾いて飛ぶ機体の写真に、「背面を大きく見せるほどの急旋回で山際をすり抜けて行く」との説明をつけた。

 協会によると、センターの業務委託先職員が原稿を書き、センターの責任者が内容を確認したうえで、協会の担当者が点検し、10日に完成させた。400部印刷し、公的施設など100カ所弱に送った。

 記事を目にした複数の人から、「自然に関する記事ではなく、米軍機の話題を載せるのはおかしい」「米軍機の騒音で苦しんでいる人もいる」との苦情が寄せられたため、協会が改めて記事の内容と経緯を確認した結果、チェックが不十分だったと判断した。

 協会によると、原稿を書いた担当者は、公園を訪れる人たちから、上空の米軍機について「あれは何ですか」とよく質問されるため、説明のつもりで書いた。東日本大震災から10年の時期にあたる次号は後編として、米軍による被災地支援の「トモダチ作戦」に触れつつ小峰公園の防災体制を紹介する予定だったという。

 ホームページに載せた謝罪文は協会の担当課長名で、「低空飛行等を容認していると誤解を招くような表現があり、日ごろ騒音問題等に心を痛めていらっしゃる地域の皆様にご不快な思いをおかけいたしましたことを深くお詫(わ)び申し上げます」としている。3月号にもおわびを載せる。

 22日夜までに送付先の約8割に廃棄を要請しており、廃棄が確認できない相手先には直接出向いて回収を試みるという。

「6階のすぐそこ、通っている」

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 横田基地の米軍機をめぐって…

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