【詳報】13人、1人7万円 驚愕の接待攻勢、質疑一変

有料記事政治タイムライン

[PR]

 菅義偉首相が22日、衆院予算委員会の集中審議に出席し、論戦に臨みました。首相の長男らによる総務省幹部への接待問題などをめぐり、野党の追及にどう説明したのか。タイムラインで詳報し、記者が解説します。

08:55

接待問題 総務省幹部の出席決まる

 衆院予算委員会が第1委員室で始まった。

 菅義偉首相の長男らによる接待問題で、総務省幹部が参考人として出席することが委員会冒頭に決まった。

 同省の谷脇康彦・総務審議官と吉田真人・総務審議官が、問題発覚後初めて出席する。事実上更迭された秋本芳徳・前情報流通行政局長と湯本博信・前大臣官房審議官(ともに大臣官房付)も出席する。

 野党側は委員会に先立つ理事会で、首相の長男らの招致も要求したが、与党側は改めて拒否。同委与党筆頭理事の後藤茂之氏(自民)は記者団に「民間の方たちを国会で参考人として呼ぶことは、非常に慎重に検討すべきだ」と述べた。

 総務省はこの日昼の同委理事会に、調査結果などを報告する予定。

09:10

「カン総理」と言い間違え…しばし沈黙

 衆院予算委員会で、自民の額賀福志郎元財務相が菅義偉首相を「カン総理」と言い間違える一幕があった。

 額賀氏は、首相の「2050年までの温室効果ガス排出の実質ゼロ宣言」について、「国際的にもグテーレス国連事務総長やイギリスのジョンソン首相など、世界のリーダーが『カン総理』の決断を支持し」と発言。数秒の沈黙の後、「カン……菅(スガ)総理の思想、発言を支持し」と言い直し、委員室には笑いが起こった。

 午前の予算委には、立憲民主党菅直人元首相も質問に立つ予定。

09:15

バイデン氏呼びかけの気候変動サミット、参加する?

 菅首相は、米国のバイデン大統領が開催を呼びかけている温室効果ガスの主要排出国などの首脳らが参加するサミットについて、4月に「参加する方向で検討している」と述べた。

 首相は国内の温暖化ガスの排出を2050年までに「実質ゼロ」とする「カーボンニュートラル」を政権の看板政策に掲げている。

 「国際社会が直面する課題の解決に積極的に貢献をし、ポストコロナの国際秩序づくりを戦略的に主導していく考えだ」と述べ、改めて世界の脱炭素化の流れに積極的に関わっていくことに意欲を示した。

 自民党の額賀福志郎氏の質問に答えた。

10:00

「2050年カーボンニュートラル」首相が語った意義

 自民党から続いて山際大志郎氏が質問に立った。

 山際氏は、菅義偉首相が宣言した「2050年までの温室効果ガス実質排出ゼロ」(カーボンニュートラル)に関し、安全保障の観点からの意義について菅首相に見解を尋ねた。

 首相は「私自身が宣言した2050年カーボンニュートラルは、経済社会の構造を大きく変革していくものであり、これによって資源の乏しい日本にとってエネルギー自給率の向上にもつながる」と説明。エネルギー安全保障に資する施策だと強調した。

 その上で、洋上風力や水素、安全性に優れた次世代の原子力などを挙げ、「我が国の強みを生かした低廉で多様なエネルギーを生み出していく」とも述べ、11月に開かれる国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)までに、エネルギー安全保障の面を配慮しながら検討していく方針を示した。

10:15

「ある方から尋ねられた。なぜ総理が...」

 衆院予算委員会で、自民党の福田達夫氏は「ある方から尋ねられた」として、ワクチンを菅義偉首相が率先して接種すべきではないかと主張した。

 福田氏によると、この「ある方」は、医療従事者向けの接種が始まったワクチンについて、「なぜ総理が一番じゃないのか」「全ての国民の命と生命を背負っている総理は、まず一番に接種をしてほしい」と福田氏に話したという。

 これに対し、首相は「私自身は、順番が来たら率先して接種をしたい」と、高齢者向けの接種が始まれば接種する意向を改めて示した。その上で、「順番は何番であっても、コロナ収束に向けて、内閣総理大臣として全力で取り組んで参る」と応じた。

10:55

核禁条約、最終的には...」 公明幹部が迫る

 公明党斉藤鉄夫副代表は衆院予算委員会で、核兵器禁止条約の締約国会議への日本のオブザーバー参加を改めて求めた。

 斉藤氏は「条約に入るか入らないか、単に二者択一ではなく、議論の場に日本は参加する。最終的にはこの条約に日本が署名をする環境、土壌をつくっていくことが大事ではないか」として、オブザーバー参加を署名への地ならしにすべきだとの考えを示した。また、締約国会議を広島、長崎で開催するよう招致することなども求めた。

 日本政府は、安全保障政策を米国の「核の傘」に頼っていることを理由に、条約を批准しない立場だ。核廃絶を掲げる公明党は条約の締約国会議へのオブザーバー参加を求めてきたが、これにも政府は後ろ向き。菅義偉首相は「国連総会への核兵器廃絶決議の提出や、広島、長崎における被爆の実相を伝える取り組みを通じて、立場の異なる国々の橋渡し役に努めていく決意」と述べるにとどめた。

11:00

コロナ禍の自殺増、政府が実態把握へ

 公明党の斉藤鉄夫副代表は、新型コロナウイルスの感染拡大で女性や若者の自殺が増加している問題への政府の対応をただした。

 今月中旬から「孤独・孤立問題」を担当することになった坂本哲志地方創生相は常駐6人を含む31人態勢による対策室を司令塔として、各省庁の自殺・孤独対策を総合的にとりまとめていく考えを説明。「まずは今週、それぞれの現場で支援していただいているNPOを招いて緊急フォーラムを開催し、それを受けて実態を把握し、問題点を洗い出していく」と答弁した。坂本氏は自殺の増加について、「コロナ禍で顕在化してきた」とし、長期的な社会的な課題として総合的に取り組む方針を示した。

 また、小此木八郎国家公安委員長も答弁に立ち、昨年の自殺者が一昨年に比べて急増していることを「大変重く受け止めている」と述べた。警察行政を所管する小此木氏は、自殺の動向をより的確に把握するため、自殺者の置かれた状況や原因と思われる項目をまとめた統計原票を見直す考えも示した。

11:20

菅直人氏「コロナと原発、共通の面も」

 立憲民主党の菅直人元首相が質問に立った。

 菅直人氏は冒頭で「菅総理とのこういう場での質疑は初めて。表記が漢字でいうと同じだから、かつてはときおり混同もされたが、今では『すが総理』が総理として活躍しているのでそういうことも少なくなっている」と語った。

 その上で、菅直人氏は自身が首相だった10年前に東日本大震災に直面したことに言及。「福島第一原発の事故が起きたときに最初に頭に浮かんだのは日本沈没という本の状況だった」と振り返り、「コロナと原発は性格は違うが危機管理とか緊急事態という面でみると、共通の面もある。総理になって最悪の場合をどう想定して、どう対処するのか。総理の基本的な考え方を聞きたい」と尋ねた。

 菅首相は「一国の総理として、そのような事態も含め、様々なことを想定をして、対策を検討することは当然だと思う」と答弁。「この新型コロナとの闘いが始まって約1年。手探りの部分もあったが常に国民の皆さんの命と暮らしを守るという強い決意のもとに最前線で取り組んできた」と語った。

 ただ、菅直人氏は「Go To キャンペーンとかは経済対策であって、感染症そのものを抑制するという対策とはちょっと違うと思う」と疑問も呈した。

11:25

菅元首相「党首会談やるつもりあるのか」

 新型コロナウイルス対策には、野党の党首と対話し、意見を聞くことが必要ではないか――。立憲民主党の菅直人元首相は、自身の経験を引いて菅義偉首相にただした。

 菅直人氏は、立憲の枝野幸男代表について「原発事故当時も官房長官として色んな経験をしている」として、枝野氏らと会談すべきだと主張。当時、自身は首相として「事故発生から数日の間に当時の谷垣(禎一・自民党)総裁や、他の野党の党首にもお話をうかがった」と述べた。

 これに対し、菅首相は政府与野党連絡協議会で野党の意見を聞いたり、新型コロナ対応の特別措置法の改正では与野党の議論を踏まえて修正したりしたと主張。「与野党の垣根を越えて取り組んでいきたい」と述べるにとどめた。

 菅氏が「党首会談をやるつもりがあるのか」と重ねて問うと、首相は「必要であれば当然お願いすることはあり得る」と答えた。

11:30

超低温でないワクチン保管、日本でも?

 新型コロナウイルスのワクチンをめぐり、米製薬大手ファイザー社が零下25~零下15度での2週間の保管を認めるよう米国の規制当局に申請したことをめぐり、加藤勝信官房長官は記者会見で、日本でも申請に応じて対応を検討していく考えを示した。

 加藤氏は「追加データが提出され次第、厚生労働省で速やかに評価され、問題がなければ適切な対応がなされる」と述べた。ファイザーのワクチンは零下75度での保存が必要とされてきたが、零下25度~零下15度での保管を認められた場合、一般的な医薬品用の冷凍庫でも保存ができるようになる。

 一方でワクチンの接種方法をめぐり、加藤氏は「ファイザー社のワクチンについて、1回接種でも一定の予防効果が得られるとの研究が報道されている」としつつ、「2回接種を前提に有効性・安全性が確認されている。ただちに1回接種で十分と言えるかについては、慎重な検討が必要ではないか」と指摘した。

12:05

鶏卵事件の第三者委、進捗は?

 吉川貴盛元農林水産相が鶏卵生産大手「アキタフーズ」の前代表から賄賂を受け取ったとして在宅起訴された事件を受けて、農水省が設置した第三者委員会での検証の進み具合について、衆院予算委員会で農水省が説明した。立憲民主党の重徳和彦氏への答弁。

 農水省はこの日朝の予算委理事会でも、進み具合を説明した。調査・検証の対象は、①アニマルウェルフェアの国際基準策定プロセス②日本公庫の養鶏業者への融資方法の決定プロセス③鶏卵生産者経営安定事業その他養鶏・鶏卵行政に関し必要な事項――とし、予算委では「今後の調査に影響があり得ることから、検証の途中経過については公表しないが、本日の理事会において可能な範囲で状況を報告させていただいた」と説明した。

12:05

午前中の質疑が終了

 22日午前の衆院予算委員会の質疑が終わった。午後は1時から再開する予定。

12:20

首相会見の進行役も接待受けていたと発覚

 菅義偉首相の長男が勤める放送関連会社「東北新社」による接待問題をめぐり、総務省が衆院予算委員会の理事会で調査結果を報告した。山田真貴子・内閣広報官が総務審議官当時、接待を受けていたことが明らかになった。山田氏は菅政権で、首相の記者会見時に進行役を務めている。

 同省の報告によると、山田氏は総務審議官だった2019年11月6日夜に東京都港区内で、東北新社の首相長男を含む4人から接待を受けた。費用は東北新社が負担した。同省は「職歴上、国家公務員倫理法上の利害関係者に該当していた可能性が高い」と報告した。

 同省はさらに「国家公務員倫理規程に違反する疑いがある会食は、12人、のべ38件」とも報告した。理事会後、同委与党筆頭理事の後藤茂之氏(自民)は記者団に「大変に遺憾なことであると、強く思っている」と語った。

12:30

首相長男から内閣広報官への接待、単価7万円 「びっくり」

 総務省は衆院予算委員会理事会で、山田真貴子・内閣広報官が総務審議官だった2019年11月6日夜に「東北新社」から接待を受けた際、「飲食単価」が7万4203円だったことも報告した。タクシー券や土産物はなかったという。

ここから続き

 7万4203円の飲食単価に…

この記事は有料記事です。残り7979文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら