第26回宝塚の夢かなわず、青学大へ SKE48惣田紗莉渚さん

受験する君へ

聞き手・小原智恵
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 コロナ禍の中でがんばる受験生たちにメッセージを贈る「受験する君へ」。名古屋を拠点にするアイドルグループSKE48のメンバーで、舞台でも活躍する惣田紗莉渚さん(28)に受験を振り返ってもらいました。

そうだ・さりな 1993年生まれ。埼玉県出身。アイドル活動と両立するため3年間の休学をはさみ、昨春に青山学院大を卒業した。大学時代の最後は菊池寛の小説「藤十郎の恋」と自身の芸能を比較する研究をした。

 舞台を見るのが好きで、「舞台に立ちたい」と夢みて高校1年から3年間、タカラジェンヌを育てる宝塚音楽学校を受け続けました。しかし、高3の最後の受験もだめで目標を見失ってしまいました。それから何もできず、軽いひきこもりのような状態になってしまいました。

 秋ごろに「勉強は点数で評価してもらえる。頑張ったら合格できるのでは。大学に行ったら視野が広がるかも」と大学を目指すことを決めました。

 受験まで残り半年。時間がなく、社会まで手が回らないと、国語と英語の2教科で勝負できるところを中心に選びました。目標を決めたら止まらない。やると決めたらやるタイプ。過去問をひたすら解き、英単語の本を受験当日に覚え終わるほどギリギリ……という短期集中で取り組みました。

 元々本を読むことが好きで、2教科で受験できたことから青山学院大学文学部を受けました。定員が少なくて倍率が高かったのですが、当日は解いている時から「すごくできている」という感覚で、合格することができました。

 大学に入ってから「やっぱり芸能をやりたい」と半年で休学。20歳の秋にSKE48に入るチャンスをもらい、アイドル活動を続けてきました。そして、8年かけて昨年3月に大学を卒業しました。

 AKB48グループの一員として、2度の総選挙や演劇など大きな舞台を踏んできました。本番を乗り越えるコツは、事前にしっかり準備をするけれど、当日にあえて特別なことはしないこと。本番の3時間前に起き、普通に過ごす。いつもの自分のままにいくのが、私にはいいのかなと思っています。また、「落ちるんじゃないか」といった悪いことを考えた瞬間に頭から追い出し、「いける、いける」とすぐにプラスに考えるように心がけています。

 大学ではいろいろな本を読み、レジュメを書くなどしてきました。今回出演するのは江戸時代の話なので、そのときの暮らしぶりや恋愛事情を本で調べてみたり、舞台になっている四天王寺の絵を見てみたりしています。大学で勉強しなかったら、きっとこうやって調べることも思いつかなかったと思います。

 「舞台に出たい」と思い続け、SKE48で活動しながら舞台に出演させてもらえるのは幸せです。舞台でヒロインを演じられるのは夢の夢みたいで……。ちゃんと思いを持ち続けたら、チャンスをもらえるんだと気づきました。(聞き手・小原智恵

私の勝負飯

 普通かもしれませんが、大学受験の前は母親がつくってくれたカツを食べました。最近では赤身のお肉です。稽古が始まって殺陣もあり、全身ヘトヘトに。そんな時はガツンとステーキを食べて、たんぱく質をとるようにしています。

〈そうだ・さりな〉 1993年生まれ。埼玉県出身。アイドル活動と両立するため3年間の休学をはさみ、昨春に青山学院大を卒業した。大学時代の最後は菊池寛の小説「藤十郎の恋」と自身の芸能を比較する研究をした。

 アイドルグループ「A.B.C―Z」の戸塚祥太が主演する舞台「未来記の番人」で、異能を持つ少女・紅羽役を演じる。東京・新橋演舞場(3月12~21日)を皮切りに、愛知・日本特殊陶業市民会館(3月27日)、福岡・久留米シティプラザ(3月30日)、大阪・松竹座(4月3~11日)で公演がある。

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