セールなしで在庫消化99% 持続可能ファッションの力

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長谷川陽子
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 2020年末のNHK紅白歌合戦。紅組司会をつとめた二階堂ふみの手には「Anti Racism(反人種差別)」とかたどられた指輪が光っていた。

 デザインしたのは、埼玉県に暮らすデザイナーの幾田桃子(44)とパートナーの千々松由貴(ゆたか)(41)。幾田は東京・南青山でブティック「ル・シャルム・ドゥ・フィーフィー・エ・ファーファー」を経営している。

 セールをしない。ゴミを増やさない(在庫消化率99%)。職人を守る。美をはぐくみ、知的交流の場を創る――。2003年の開店からこうした理念を掲げ「持続可能なファッション」に一貫して取り組んできた。

 販売員や経理担当も含めてメンバーは7人。30平方メートルほどの店内には、幾田と千々松が手がけるオリジナルブランド「MOMOKO CHIJIMATSU」の商品や、海外で買い付けた新進気鋭のデザイナーの服が並ぶ。

値札なし 本当に似合う1着を

 商品に値札はない。幾田は言う。「安い、お買い得だからではなく、これが絶対に欲しいと思ったものを手に取ってほしいからです」

 シーズンごとに全商品を入れ替えて売れ残りをセールでさばくことはしない。今年の商品が売れなければ、来年も販売する。

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 「当初はお客様から『これ…

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