「妻の役割演じていた」 トランス男性が願う、公の認定

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山崎毅朗
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 山口県宇部市は、LGBTなどの性的少数者のカップルを夫婦と同じような関係のパートナーとして公的に認定する「パートナーシップ宣誓制度」を今年度中に導入する。県内自治体では初めて。議会の議決を経ずに市長の判断で制定できる「要綱」で定める。

 市内在住か、転入予定の成年カップルであることが条件。法的効力はないが、市が交付する証明書を示すと、市営住宅への入居や助成金の受給など、法律婚をしたカップルと同様に行政サービスを受けることができるようになる。市は市内の民間病院に対しても、証明書を提示したカップルを家族として扱うよう求める。

 民間の大手通信会社や保険会社では、パートナーシップの証明書を示したカップルに、家族向けの割引や保険金の受け取りを認めている。

 市によると、性的少数者の割合は人口の約8・9%(11人に1人)とされる。性的少数者にホルモン治療などを行う「にじいろ外来」を開いている針間産婦人科(宇部市)の金子法子医師は「生きづらさを抱えている当事者にとっては重要な制度。当事者ではない人にとっても性的少数者について考えるきっかけになる」と話す。

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 宇部市に住むトランスジェンダー男性(48)は幼い頃から心と体のギャップに悩んできた。市が導入を予定するパートナーシップ制度について「性的少数者への意識が変わるきっかけになる」と期待する。

 女性の体で生まれたが、性自認は男性。幼い頃から遊び道具はウルトラマンの人形などで、小学校の休み時間にはほかの男子児童とスポーツをして過ごした。

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