カタルーニャ州議選、独立派勝利 運動への弾み見通せず

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パリ=疋田多揚
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 スペインで4年前に独立を目指して住民投票に踏み切った北東部カタルーニャ自治州で14日、州議会選(定数135)が投開票され、独立派が半数を超える74議席を獲得した。新型コロナウイルスの感染拡大で投票率は53・6%と低迷した。独立派の中にも強硬路線に慎重な立場がある上、感染対策の優先を求める声も強く、独立運動に弾みがつくかは不透明だ。

 同州は2017年、独立賛成が多数を占めた住民投票結果を受け、一方的に独立を宣言。反発した中央政府が州の自治権を一時停止した。当時の指導者らは国外に逃亡したり、反乱罪で禁錮刑を受けたりした。その後の選挙でも独立派が過半数を握ったが、再度の独立宣言には踏み切らず、中央政府との対話を模索してきた。

 14日の州議選(開票率99・8%)では、カタルーニャ共和左派(ERC)が33議席を得るなど、独立派3勢力が4年前より4議席増やして計74議席を確保した。一方、独立に慎重なカタルーニャ社会党が33議席を得たほか、独立よりコロナ対策に公費を使うよう訴えた右翼政党ボックス(VOX)が初議席を獲得し、11議席まで積み上げた。

 同州はスペインで最も新型コロナの感染が広がっている地域の一つで、感染への懸念から棄権が続出。投票率は前回の79・1%から25ポイント以上低下。独立派3勢力に投票した人は全有権者のうち4分の1にとどまった。独立派のERCは「独立したいと宣言すれば独立できるものではない」として、中央政府との対話を通じて権利拡大を目指す考えだ。(パリ=疋田多揚)

「独立訴えるタイミングでない」

 マドリード・カルロス3世大学のパブロ・シモン客員教授(政治学)

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 カタルーニャ自治州の独立派…

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