ミャンマー国軍によるクーデターで拘束されたアウンサンスーチー氏が再び訴追されたことに、市民が強く反発している。17日には各地で大勢が抗議デモに参加し、最大都市ヤンゴンでは国軍側の統治機能をまひさせようと乗用車で道路をふさいだ。国軍は16日の会見でデモを強く批判しており、さらなる弾圧への懸念が広がっている。
スーチー氏が自然災害管理法違反の疑いで、2度目となる訴追を受けたことが16日に判明。同日には裁判官がビデオ形式でスーチー氏から事情を聴いた。スーチー氏の拘束を長引かせる国軍側の思惑があらわになり、17日には各地で怒りの声が上がった。
なぜクーデターが起き、ミャンマーはどこへ向かうのか。貝瀬秋彦・アジア総局長に聞きました。
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「軍政の全ての命令に逆らおう。革命は勝たなければならない」。1980年代の民主化指導者ミンコーナイン氏の録音メッセージがヤンゴン中心部に流れると、群衆から大きな歓声が上がった。陸橋には「我々は決して軍靴の下にひざまずかない」と書かれた巨大な横断幕が掲げられた。
国軍は17日も未明から朝にかけてインターネットを遮断したが、SNSには16日夜から大規模なデモの呼びかけが拡散。公務員らが通勤できないよう、車で道路をふさぐ案が次々に共有され、17日朝には多くの人が実行に移した。
SNSには、ヤンゴンの大通りに何台もの乗用車が故障を装ってボンネットを開けたまま停車し、後続車が詰まって渋滞する様子とされる映像が投稿された。
この日のデモに参加した医師(29)は朝日新聞助手に「国軍はスーチー氏を解放せずに再訴追し、兵士を街に投入した。もう後戻りしないつもりだろう。いま沈黙してはいけない。独裁者を倒すまで闘い続ける」と話した。
国軍側は強硬な姿勢を崩していない。クーデター後初となった16日の記者会見で、軍報道官は市民の抗議デモを暴力的だと非難。クーデターやスーチー氏の拘束を正当化し、デモに対して「法に基づいた措置をとる」と警告した。
ミャンマーの人権状況を担当…
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