脳振盪から力士を守るため ルールの先に必要な機運は

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大阪スポーツ部 小俣勇貴
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 スポーツにおいて、ルールの役割とは何か。大相撲初場所の取材で改めて考えさせられた。

 10日目の1月19日、幕下の湘南乃海と朝玉勢の取組がきっかけだった。立ち合いで頭からぶつかり合ったが、不成立に。すると湘南乃海が立ち上がれなくなった。脳振盪(しんとう)のような症状。審判団は本人の強い出場意思を受け、取り直しを決めた。

 脳振盪は「命に関わる傷害」と言われ、深刻な後遺症を伴うことがあるとされる。ラグビーやサッカーをはじめ、スポーツ界全体が危機感を高めている問題だ。あの取組後、湘南乃海は病院の診断で異常なしとされたが、ネット上には「取り直しをさせるべきではなかった」という意見が相次いだ。

 日本相撲協会は、すぐに新たな取り決めを申し合わせた。脳振盪が疑われるなど勝負ができないと判断されれば、本人の意思を問わず取組は行わないというものだった。

 単純には比較できないが、私は、昨夏まで担当していた高校野球の取材を思い出した。

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 昨年から公式戦で投手1人あ…

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