ウォシュレット、プリーズ! 大江千里さんが引っ越し

[PR]

大江千里さんコラム「NY 今を生きる」

ジャズピアニストの大江千里さんがNYからコラムをつづります。引っ越しをして心機一転。大家のジョーがくれたものは。

 引っ越し放浪者の僕が、なんと10年住んでた場所から引っ越した。大家に息子ができて、家族でここに住むという。10年の友情もあり、出ることになった。年が明けてすぐに決まったので、バタバタと荷造りをして愛犬の「ぴ」とバックパック、スーツケースのいでたちで身体ごと移動するような慌ただしさ。

 薄情なもので、10年も住んだのに、実際に引っ越すと前の場所をころっと忘れる。今は新しい家に夢中。ちょっとめまぐるしいけれど、終わったことはもういい。

 新しい部屋は静かでのんびり。空がとても高い。そういえば前の場所に引っ越したその晩、ぴと抱き合って眠りながら夜通し走る地下鉄の音を聞いた。そして「ごめんよ、パパは計算外だった。お前が調子悪くなる前に引っ越すよ、すぐにでも」とぴに謝った。しかし僕より先にぴは隣でぐうぐう寝てた。僕もそれを追うようにぐうぐう眠った。

ここから続き

 それ以来、地下鉄とバスと人…

この記事は有料記事です。残り553文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

連載大江千里の「NY 今を生きる」

この連載の一覧を見る