「女対女」演出?夫婦別姓反対派、表に立つのは女性議員

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聞き手・桜井泉
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 国の法制審議会が選択的夫婦別姓の導入を提言してから四半世紀。女性の社会進出が進んだのに、なぜ自由に姓を選べないのか。制度導入を政治に働きかけてきた井田奈穂さんは「自民党内にも賛意は広がっている」と語ります。

井田奈穂さん

 1975年生まれ。IT企業会社員。再婚で改姓する際、パスポートや銀行口座など100件以上の名義変更が必要だった。

 選択的夫婦別姓はイデオロギーの問題ではありません。信用や実績を築いてきた名字を変えなければならないのは、生活上の困りごとであり、人権の問題です。

 私たちの団体は2018年から選択的夫婦別姓の実現を国に求めるよう、地方議会に働きかけています。三重県滋賀県など67議会で、そうした趣旨の意見書が採択されました。私たちの調査では、それ以前のものも含めて178議会で採択されています。

 住民との距離が近い地方議員はみな気軽に面会に応じ、熱心に話を聞いてくれます。「困りごとの解決こそが、税金から報酬をもらっている私たちの仕事です。遠慮しないで」という温かい言葉ももらいます。自民党など保守系の賛成派も少なくなく、近隣議会の議員を紹介してくれるケースも増えています。

 政府の新たな男女共同参画基本計画では、選択的夫婦別姓のための法改正まで踏み込んでもらおうと、国会議員にも訴えました。多くの議員が理解し、賛同してくれましたが、一方で自民党の一部議員は当事者の声すら聞かず、強く反対しました。陳情しようにも会ってくれないのです。

 法改正反対派で取材などの表…

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男女格差が主要先進国で最下位の日本。この社会で生きにくさを感じているのは、女性だけではありません。性別に関係なく平等に機会があり、だれもが「ありのままの自分」で生きられる社会をめざして。ジェンダー〈社会的・文化的に作られた性差〉について、一緒に考えませんか。[もっと見る]