「カリスマ」スーチー氏の不在 後継者なき民主化への道

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バンコク=福山亜希 貝瀬秋彦
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ミャンマー政変 クーデター再び:下

ミャンマーで国軍によるクーデターが起き、民主的な政権が覆されました。民主化を主導してきたアウンサンスーチー氏と、国民民主連盟(NLD)の軌跡をたどります。

 「違法なクーデターで権力を掌握した国軍によるいかなる機関、省庁、新閣僚も、我々は認めない」。ミャンマー国軍のクーデターで政権を覆された国民民主連盟(NLD)は5日、声明で改めて主張した。

 NLDを率いるアウンサンスーチー氏は、1日に国軍に拘束される前にしたためたとされる声明で、国軍の行為を「この国を独裁国家に引き戻すものだ」と批判。抗議するよう、国民に訴えていた。呼応するように、SNSには抗議の投稿が相次ぎ、職務の放棄などを通じた「不服従運動」も始まった。6日には、最大都市ヤンゴンの路上で大規模なデモが起きた。

ミャンマー軍トップは何者か 定年5カ月前のクーデター

連載「ミャンマー政変、クーデター再び」(上)はこちらです。

人気ぶりに軍は恐れ

 「彼女を上回るカリスマは現れないだろう」。ミャンマーの研究者や外交筋は口をそろえて、スーチー氏をこう評する。

 「建国の父」と呼ばれるアウンサン将軍の長女。父はスーチー氏が2歳の時に暗殺され、母とインドに移り、その後は海外暮らしが続いた。英オックスフォード大へ進み、英国人の故マイケル・アリス氏と結婚。2児をもうけた。

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