コロナ禍でなぜ株高? 30年6カ月ぶり高値、歪む市場

有料記事

寺西和男
[PR]

 東京ビッグサイトで1月中旬にあった「資産運用EXPO(エキスポ)」は緊急事態宣言中にもかかわらず、多くの来場者であふれた。

 「パンデミック後は長期の株高傾向にある」。株式セミナーでは大和証券の木野内栄治理事が、1910年代末のスペイン風邪流行後に米国の株価指数が12年間で5・8倍、2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS)流行後に上海の株価指数が4年間で4・7倍になったと紹介した。構造改革が進みやすいことなどが理由だという。

 株などの投資を始める人は多く、SBI、楽天の大手ネット証券2社だけでも昨年、約210万口座が新規に開かれた。会場にいた公務員の男性(23)は1月に15万円で株と暗号資産に投資を始めたという。「実家に仕送りしているので、副収入を増やしたい」

 日経平均株価は昨年3月に1万6千円台半ばだったが、今年1月には2万9千円近くまで上がり、バブル期以来の高値を更新。米ダウ工業株平均も昨年11月に3万ドルの大台を初めて突破し、史上最高値をつけた。一方で雇用などに回復の兆しが見えず、株価と実体経済の乖離(かいり)が目立っている。

ここから続き

 その理由の一つは、金融危機

この記事は有料記事です。残り1772文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら