電話から聞こえた「即死」 飲酒運転が奪った息子の明日

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松本江里加 川辺真改
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 福岡県粕屋町で2011年、高校生2人が犠牲となった飲酒死亡事故から9日で10年を迎える。7日、町内で飲酒運転撲滅県民大会があり、この事故で長男山本寛大(かんた)さん(当時16)を亡くした母美也子さん(52)も出席。「当時のことを思うと今も涙が止まらない。飲酒運転ゼロに向けて、どうぞ力を貸してください」と呼びかけた。

 あの日の朝。寛大さんはいつものようにギリギリの時間に起き、慌ただしく学校に向かった。

 放課後、アルバイトを終えると、友人の皆越隼人さん(当時16)と翌日の校内マラソン大会のコースを下見した。そして午後11時ごろ、事故は起きた。町道の路側帯を歩いていた2人は、飲酒運転の車に後ろからはねられた。

 警察からの電話に美也子さんは凍り付いた。「即死」という言葉が聞こえた。病院のベッドに横たわる寛大さんの顔は、ほほえんでいるように見えた。何が起きたの? 事態をのみ込むことが難しかった。

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