地中レーダー搭載、3・11へ走行試験 仙台高専教授ら

鵜沼照都
【動画】地中レーダーを搭載した無限軌道付き台車の走行テスト=鵜沼照都撮影
[PR]

 山形県内唯一の離島・飛島(酒田市)で海洋ごみの自動回収ロボット作りに取り組む仙台高専総合工学科の園田潤教授と、同市内の農機具メーカー「石井製作所」(石井智久社長)が1月中旬、宮城県名取市の閖上(ゆりあげ)浜で、地中レーダーを搭載した無限軌道付き台車2台の走行テストをした。

 2台は、同社が農業用に開発した遠隔操作型の小型運搬台車「RTL(リトル)初号機」と、園田研究室が汎用(はんよう)部品を組み合わせて作った自動走行型の小型台車。コンクリート製の防波堤の登坂のほか、枯れ草が生い茂る砂の不整地や海岸の砂浜など、さまざまな条件下でレーダー波を使いながら車を走らせ、台車の動きなどをチェックした。

 園田教授は2013年から閖上浜で、東日本大震災時の行方不明者捜索に協力している。地中レーダーに人工知能(AI)を組み合わせ、地下1メートル前後までに埋まった物体の検出や判定などに取り組んでいる。

 この日は、閖上浜で1時間半ほどの走行テストを行った。石井社長は「実際に走らせてみると、さまざまな改良点がわかる」。園田教授は「きょうのテストを踏まえ、震災10年目となる3月11日には、ここ閖上浜での捜索に『自動走行型の地中レーダー付き台車』を完成させ持ち込みたい」と話していた。

 研究は海洋ごみ対策だけでなく、土石流による不明者捜索にも応用されているほか、雪崩発生時の不明者捜索に活用できないかも検討されている。(鵜沼照都)

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら