女性蔑視発言、ごまかす笑いが社会の現実 辻愛沙子さん

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伊木緑
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 東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長(83)による女性蔑視発言に、強い批判が集まっています。クリエーティブディレクターとして社会派の広告やイベントの企画などで活躍する辻愛沙子さん(25)は、この発言に「見覚えがある」と言います。

 記者は4日午後、音声型のSNS「Clubhouse(クラブハウス)」を通じ、辻さんに「公開取材」。一時は1千人を超えるリスナーがその様子を傍聴しました。辻さんが取材に語った内容は次の通り。

     ◇

 今回の発言はあまりにひどいですが、これを水で薄めたような出来事は社会にたくさんあり、思い当たる光景がいくつもあります。

「これ、ちょっとやばいな」と思ってもごまかすための笑い――。記事の後半では、今回の問題が映した「社会の現実」について語ります。

 例えば、年上の男性ばかりの会議で女性は私だけだった時。疑問や意見を口にすると、話を途中で遮られ「若いから分からないかもしれないけど」と内容を聞く前に否定される。でも、私と同じことを別の男性が発言したら手のひらを返して称賛される。若い女性は「教える対象」で、対等な議論ができる相手とは思っていないのだと感じました。役職とはまた別に、勝手につくった想像上のヒエラルキーがあるのでしょう。

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 森さんの発言は、ただの言葉…

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男女格差が主要先進国で最下位の日本。この社会で生きにくさを感じているのは、女性だけではありません。性別に関係なく平等に機会があり、だれもが「ありのままの自分」で生きられる社会をめざして。ジェンダー〈社会的・文化的に作られた性差〉について、一緒に考えませんか。[もっと見る]