市長選144票差の重みは 馬毛島の計画、反対派が再選

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奥村智司 小瀬康太郎 伊藤嘉孝
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 馬毛(まげ)島鹿児島県西之表市)への米空母艦載機の陸上離着陸訓練(FCLP)移転と自衛隊基地整備計画についての賛否が争点となった西之表市長選で、計画反対を訴えた現職の八板俊輔氏(67)が再選を果たした。「対応の負託を受けた」と八板氏。ただ「容認」の相手候補との差はわずかで、「国策」にどう対抗するか、難しいかじ取りとなる。

 「意見の異なる者の一騎打ちで信任された。馬毛島の問題への対応の負託を受けたと思っている」。投開票から一夜明けた1日、当選証書を受け取った八板氏は報道陣に話した。

 馬毛島では基地整備に向けたボーリング調査が昨年始まった。島には面積の1%未満にあたる市有地が残るが、市有地の関係を含めて基地建設を止める法令上の権限について「市側に特段のものはない」(八板氏)という。八板氏は「政権与党がこの計画に懸命になる中で、島のしぶとい草の根が勝った。『ノー』の民意を国に伝え、地元の状況を理解してもらう」と強調する。

 市長選の投票率は80・17%。八板氏の得票は5103票で、計画容認を掲げた新顔で市商工会長の福井清信氏(71)=自民推薦=は4959票と、わずか144票差だった。

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