「打倒巨人」はソフトバンクではなく、中日の仕事なのだ

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竜党のつぶやき 中日ドラゴンズへの深すぎる愛

 沖縄キャンプが始まった。

 いつも思うのだけど、スポーツ紙のキャンプ報道は、何となく天皇賞有馬記念といった大レースの競馬予想報道に似ている。

 予想記者は、本命や対抗のほかに穴馬をひねり出すため、マイナス材料を見ないふりをして、馬の能力を限りなく「過大評価」する。「スローペースになったら逃げ残りも」とか「前がバテたら坂上から直線一気で」とか、その馬が最大限能力を発揮する展開を考えて、「可能性」を強調するのだ。スポーツ紙のキャンプ中も「可能性」報道だ。新戦力について、欠点に目をつぶりつつ、「内角の制球が定まれば2ケタも期待できる」とか、「6番で自由に打たせたら20発いくかも」と、超ポジティブに期待値をはじき出し、大きく見出しに掲げてファンを喜ばせてくれる。

毎週火曜日の朝に中日ドラゴンズにまつわる話題をお届けします。コラム「竜党のつぶやき」は毎月第1火曜日に配信します。

 偵察に来る各球団スコアラーのコメントがまた心憎い。6年前、ドラフト上位で入った俊足の社会人出身選手に対し、視察に来たあるスカウトが、「小力があり、広島の丸(佳浩)タイプ」とほめあげた。高卒4年目で9本塁打、50打点をあげた丸に似ているなら1年目から期待できるかも。だから球団は、堂上直倫の背番号を彼に与えたんだ、と勝手に納得し、攻撃的な1番打者としての活躍を想像したりした。

 残念ながら、その選手は1軍では通用せず、戦力外通告となった。運なのか実力なのか。まあでも、そういうことはある。2月くらいは期待をめいっぱい膨らませてほしい。誇張報道でも、お手盛り寸評、でも大歓迎なのだ。

 ところで、1月10日にテレビで「プロ野球No.1決定戦 バトルスタジアム」という番組を見た。

 ヤクルト村上宗隆、ソフトバンク栗原陵矢ら12球団の選手とともにクイズ王の伊沢拓司も出演。中日からはなぜか、特徴あるフォームを武器に、昨年支配下登録されたマルクが出ていた。そのクイズコーナーで、こんな問題が出た。「プロ野球12球団で2020年の選手平均年俸がいちばん低い球団は?」。これ、ドラゴンズだったら嫌だなと思ったら、伊沢クイズ王やマルクも含め13人のうち7人が「中日」と答えた。

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 日本ハムの杉谷拳士だけが見…

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