脱「後頭部」アートの若木くるみ コロナ禍に一矢報いる

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田中ゑれ奈
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 北海道の田舎に暮らす高校生はある日、地元のCDショップで自分と似た名前のロックバンドのメジャーデビューシングルをジャケ買いした。「東京」というその曲に、都会への思いが重なった。「あの頃はセンスも自信もなかったけど、くるりだけは知っていた」。それから15年あまり。今年度の京都市芸術新人賞で、美術家・若木くるみの名はくるりと並び、受賞者一覧に刻まれた。

 京都市出身または同市に活動拠点を置き、「将来を嘱望される」文化芸術関係者に贈られる同賞。今年度は美術家のcontact(コンタクト) Gonzo(ゴンゾ)や谷澤紗和子、小説家の森見登美彦、そしてくるりに若木を含む11組が選ばれた。

 北海道を出た若木は、京都市立芸術大学木版画を学んだ。一方、在学中に出場した東京マラソンをきっかけに、そり上げた自身の後頭部に顔を描いて走るパフォーマンスが注目を集める。2009年には当時最年少で岡本太郎賞を受賞。以来、人気バラエティー番組に呼ばれるなど「後頭部」の美術家として知名度を高めつつ、16年のスパルタスロン(ギリシャ)で世界女子9位に輝くなど、ランナーとしても活躍を続ける。

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