EU、ワクチン輸出の規制を強化 製薬会社の動きに反発

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ブリュッセル=青田秀樹 ロンドン=下司佳代子
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 欧州連合(EU)が新型コロナワクチンの輸出の許可制を導入した。未承認のワクチンも含めて、人口の5倍にあたる約23億回分という十分な購入枠を確保しているものの、供給遅れに危機感を募らせたためだ。英国でも自国優先の動きが出るなか、ワクチンの「囲い込み」ともいえる行動に懸念の声が出ている。

 「市民を守る最優先課題のため、必要な措置を導入する」。ワクチンの輸出管理策を発表した1月29日、フォンデアライエン欧州委員長は、こう訴えた。製薬会社に出荷量や出荷先の報告を義務づけ、EUが確保したワクチンの供給が著しく脅かされる場合は、輸出差し止めも辞さない。途上国向けは対象外とし、3月末まで続ける予定だ。

 この日、欧州委はEUで3例目となる英製薬大手アストラゼネカのワクチンの使用を承認。フォンデアライエン氏はあえて「約束通りに届けてくれることを期待する」と注文を付けた。

 欧州委は加盟27カ国を代表して製薬各社と契約し、計27億ユーロ(約3400億円)を投じてワクチン開発と生産態勢の整備を支える見返りに、購入枠を確保してきた。各国が12月末から接種を急いでいるが、供給の遅れが目立っている。

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 なかでもアストラゼネカは…

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