「娘がいるな」中国当局から圧力 元弁護士、恐怖語る

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成都=奥寺淳
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 昨年、香港の民主活動家ら12人が台湾に脱出を試みて中国当局に捕まった事件で、その家族らが委託した代理人らが弁護士資格を剝奪(はくだつ)されるなど中国当局の圧力を受けている。中国の法に基づく被告の権利を守るよう訴えるなどしたところ、「国家の安全に危害を与えた」と断じられた。

 今月15日に弁護士資格を剝奪されたのは、四川省成都在住の盧思位氏(48)。昨年8月の台湾密航を手配したとされる喬映瑜被告(懲役2年の実刑判決)の家族の依頼を受けた。喬被告らは中国本土で起訴されたため、香港の弁護士が代理人を務めることができず、家族の相談を受けた香港の弁護士が盧氏とつないだ。

「司法当局の幹部に『娘がいるな』と言われた」――。盧氏は朝日新聞の取材に応じ、取り調べの際の心理的な圧力などについて明かしました。記事後半でインタビュー内容を詳報します。

 引き受けた盧氏は12人が拘束されていた深圳市司法当局に喬被告への接見を求めたが、当局は応じようとしなかった。公正な司法手続きを求める文書をネットで公開すると、今月4日、「弁護士界のイメージを著しく損ない社会に悪影響を与えた」として、四川省司法局から弁護士資格を取り消すとの通知を受けた。

 盧氏が反論のため開催を求めた聴聞会で、省司法局は盧氏がツイッターで中国の司法制度の問題を指摘していたことに言及。「国家の安全に危害を与え、司法制度の名誉を毀損(きそん)した」と主張したという。盧氏は人権派弁護士が当局の弾圧を受けている様子などを発信していた。

 盧氏の代理人は「国家の安全に危害を与える可能性は全くなく、資格の剝奪は圧力にほかならない」と反論。盧氏は「国に背くようなことはしていない。結果がどうあれ、私が不当な理由で処罰を受ける最後の人間であって欲しい」と語ったという。

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 盧氏によると、身辺では不穏…

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