水虫薬問題、過去最長の業務停止処分へ 県が方針通知

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平野尚紀 堀川敬部
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 水虫などの皮膚病用の飲み薬に睡眠導入剤の成分が混入した問題で、福井県が薬を製造した小林化工(同県あわら市)に対し、全国で過去最長となる116日間の業務停止処分とする方針を伝えたことがわかった。関係者が取材に明らかにした。今後、県は同社から弁明書が出されれば内容を踏まえ、来月上旬にも処分を最終決定する。

 この問題では、県や厚生労働省などが昨年12月、同社に立ち入り調査し、省令違反や社内規定違反が相次いで発覚した。同社は今月20日、県に混入の経緯や問題点をまとめたファイル2冊分の報告書を提出した。

 県などによれば、これまで明らかとなった省令違反として、各地で健康被害の報告が相次いだイトラコナゾール錠50「MEEK」の製造中、主成分が減り、厚労省が承認した手順に反して成分を継ぎ足そうとし、睡眠導入剤成分を誤って入れる「二重ミス」が発覚した。作業現場に承認外の工程をまとめた手順書も置かれていたという。

 また、2人1組で相互にチェックしながら薬の調合にあたるとする社内規定に反し、1人が作業場から離れた時間帯があったことや、離れた1人が作業の確認済みのサインをしたこともわかっている。サンプル検査で、異物混入を疑わせるデータの反応に気づいた作業員から報告を受けた上司が問題ないと判断し、詳細な検査をせず「合格」とみなしたことも判明した。

 県は、こうした一連の違反行為やずさんな製造管理を重くみて、県の内規で定められた最長期間となる116日間の処分方針を決めたとみられる。

 厚労省によれば、医薬品医療機器法に基づく業務停止処分は過去110日間が最長。承認外の手順で血液製剤を製造したとして、2016年に化学及(および)血清療法研究所(熊本市)に対して出された。

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 小林化工によれば、約30都…

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