将棋4強時代 藤井聡太二冠を待ち構える「天敵」とは

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村瀬信也
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 将棋界は今、「4強の時代」と言われている。棋王、王将と合わせ三冠の渡辺明名人(36)、叡王も持つ豊島将之竜王(30)、永瀬拓矢王座(28)の3人に、高校生棋士の藤井聡太二冠(18)を加えた4人だ。藤井二冠は昨年、二つのタイトルを手にして世間を沸かせた。群雄割拠とも言える状況の中、新たにタイトルを獲得できるのか。

 今月4日、インターネットテレビABEMAの番組収録に、トップ棋士が集った。和服姿で取材に応じた藤井二冠は、今年の目標について、「実力を高めたい。(タイトルの)防衛戦にいい状態で臨みたい」。新たなタイトル獲得については、「まずはチャンスを作るところから」と語った。

 藤井二冠は昨年、棋聖と王位を獲得し、史上最年少で二冠に。名人戦につながる第79期順位戦(朝日新聞社・毎日新聞社主催)でも好調。B級2組からB級1組への昇級が濃厚な状況で、名人挑戦権を争うA級に近づいている。過去2回優勝の朝日杯将棋オープン戦でも4年連続で4強入りした。

 今年度の成績は26日時点で37勝8敗。勝率は8割を超えている。勝ち続ければ年内に五冠となる可能性もある。だが、まず乗り越える必要がある試練が、6月以降にある棋聖、王位の防衛戦だ。

「負け方がどれも想像を超えてる」

 近年はタイトル保持者の交代劇が多い。特に初タイトルを手放す例が目立つ。豊島竜王は、昨年の竜王戦羽生善治九段(50)を破って初防衛を果たした。防衛がかかったタイトル戦はこれが4回目で、名人戦など過去3回はいずれも敗れていた。

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 名人を初めて獲得してから9…

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