コロナの新治療薬は期待し、ワクチンは不安がる不思議さ

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森戸やすみ
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 新型コロナウイルスのワクチンが、近々日本にも入ってきますね。先日、新聞社のサイトと雑誌の報道が炎上したのをご存じですか?

 オリコンニュースが女子高生100人にアンケートを取り、受けたくないという人が多かった、という記事が自社のサイトだけでなく、大手新聞などが運営する複数のサイトにも掲載されました。うち1社がツイッターで報じたことで話題になり、その後、各社のサイトから削除されました。

 十分な知識のない若い子が不安を感じるのは当然のことで、ニュースとしての価値はないでしょう。これによって「みんなが怖がっている」と悪いイメージが付き、ワクチンを忌避するようになっては問題です。「マスコミはまた根拠なく無責任にワクチンの脅威をあおるのか」と批判されたのです。

 週刊新潮は、「コロナワクチンを『絶対に打ちたくない』と医師が言うワケ」と題した記事を出しましたが、デイリー新潮のサイトから削除されています。取材に応じた専門家の意図と違う内容で、科学的根拠なく危機感をあおるような記事でした。

 AERAは、記事の内容は穏当なものでしたが、見出しが誤解を招きました。大多数の医師が、自分は新型コロナワクチンを受けたくないと言っているようにミスリードするものだと私は受け取りました。(あわてんぼうの読者が、ツイッターで「朝日新聞アピタルは朝日のくせに、AERAや朝日新聞を批判する記事をシレッと載せてうんぬん」と、このコラムを批判することがありますが、私はアピタルの中の人ではないし、朝日新聞社の記者でもありません。寄稿している医師です、念のため。)

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 民放の報道番組でも同様のワ…

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森戸やすみ
森戸やすみ(もりと・やすみ)小児科医
小児科専門医。1971年東京生まれ。1996年私立大学医学部卒。NICU勤務などを経て、現在はどうかん山こどもクリニックに勤務。2人の女の子の母。著書に『小児科医ママの「育児の不安」解決BOOK』(内外出版)、共著に『赤ちゃんのしぐさ』(洋泉社)などがある。医療と育児をつなぐ活動をしている。