開催したいだけでは無意味 都医師会長が語る五輪の骨格

有料記事再考2020+1

聞き手・荻原千明
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 今夏に延期になった東京五輪の開幕まで半年を切った。コロナ禍で開催に懐疑論が出るなか、改めて大会の意義を問い直したい。

尾崎治夫・東京都医師会長

 東京都では、新型コロナウイルスの入院患者が900人を超える状況が半年以上続いています。受け入れる病院のスタッフは精神的に休まることがありません。また、診療所の医師も、通常の診療に加え、感染が疑われる患者の検査にあたり、自宅療養者のフォローを進めています。

 東京オリンピック(五輪)・パラリンピックの従来の計画では大会時、いま新型コロナの重症患者を受け入れているような救急を扱う病院の医師らが競技会場内の対応を担うことになっています。診療所の医師は、最寄り駅から競技場の間に設置する救護所に待機することになっています。

 その頃、国内や都内の感染状況は落ち着いているのでしょうか。世界の状態も気になります。高齢者をはじめ、熱中症の方が増える時期です。計画通りなら、そこに観客が訪れる。新型コロナの感染が広がる前から、真夏の開催による医療への負荷に対する懸念があったのです。医師は何でもできるわけではなく、無理なこともあります。

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 選手のことを思えば、大会を…

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