みそ漬け1年のはずが「白すぎる」最高裁を動かした疑問

有料記事

植松敬 阿部峻介
[PR]

 死刑確定後に釈放されている袴田巌さん(84)の再審請求審で、最高裁は昨年12月、審理をやり直すよう東京高裁に求める決定をした。重く見たのは、弁護団による独自の実験だった。支援者らの素朴な疑問から始まった取り組みが、無罪の可能性をつないだ。(植松敬、阿部峻介)

 袴田さんは静岡県浜松市の自宅で、姉の秀子さん(87)と新年を迎えた。正月に市内の繁華街を歩くと、最高裁決定を知った人が「よかったですね」と声をかける。秀子さんは言う。「無罪を待ってもう50年。無罪が確定するまで本当の意味で喜べない。頑張って長生きしにゃならんね」

 無罪につながる再審を始めるかどうかを決める今後の審理で、重要視されるのが弁護団による「衣類のみそ漬け実験」だ。

人血の提供を受け、実験すると…

ここから続き

 袴田さんの逮捕から1年後…

この記事は有料記事です。残り1690文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら