「感染広げないか」選手の葛藤 代表内定者にアンケート

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塩谷耕吾
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 東京五輪の開幕まで半年となる23日に合わせ、朝日新聞は、五輪出場がすでに内定している日本選手を対象にオンラインでアンケートを行い、11競技の41人から回答を得た。新型コロナウイルスの流行が国内外で続くなか、不安を抱えながらも懸命に前へ進もうとする姿が見えてきた。

 2021年中の五輪開催についてたずねたところ、回答者の半数を超える21人が「不安を感じている」、または「少し不安を感じる」と答えた。「あまり不安は感じていない」「不安は感じていない」を選んだ選手は計7人。「どちらとも言えない」は13人だった。

 コロナ禍の中での競技や生活についての自由記述では、練習に制約が生じたことで「ステップアップできている感覚をつかむのが難しくモチベーションの維持に苦労している」との声や、スポンサー企業の経営悪化で「資金の削減と確保が大変だった」などの声があがった。一方で「トレーニング期間が延びたと思い、苦手克服を遂げた」「限られた条件の中でベストを尽くすことで新たな考えや視野が生まれた」といった声も聞かれた。

 五輪出場にあたっての不安をたずねる設問(複数回答可)では、「大会によって感染症が広まってしまうかもしれないこと」を最も多い25人が挙げており、大会への出場を決めている選手たちの葛藤がうかがえる。「新型コロナへの感染リスク」が18人で続き、「世間の機運が盛り上がらず、出場しても応援や支持を得られないかもしれない」を選んだ選手も15人いた。いま足りていないと感じるものを複数回答可で選んでもらったところ、「開催に向けた準備状況についての情報提供」が最多で19人だった。

 五輪の開催にあたって欠かせないと思うものを複数回答可で聞いたところ、半数を超える22人が「国際オリンピック委員会に加盟するすべての国・地域の選手の参加」と「会場の観客」を選んだ。

 アンケートは15競技の126人を対象に昨年12月から今年1月にかけて行い、報道の際には匿名とすることを条件にした。各選手が所属する企業や競技団体などを通じてアンケートのURLを伝え、回答を集計。41人の回答はすべて、1都3県に緊急事態宣言が出た1月7日以前に寄せられた。

「世界中の選手そろうか」募る不安

 新型コロナウイルスの猛威が世界各地で続くなか、東京五輪がアスリートにとって最高の晴れ舞台になり得るのか――。五輪出場が内定している日本選手アンケートの結果からは、そんな不安が伝わってくる。

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