五輪はコロナに勝った証しなのか? 山口香さんの違和感

有料記事再考2020+1

聞き手・構成 塩谷耕吾
[PR]

 今夏に延期になった東京五輪の開幕まで半年を切った。コロナ禍で開催に懐疑論が出るなか、関係者のインタビューを通じ、改めて大会の意義を問い直したい。

山口香日本オリンピック委員会理事

 私は昨年3月、「東京オリンピック(五輪)を延期するべきだ」と発信した。そして今、デジャブのように半年後の五輪をどうするべきかが問われている。最近の世論調査では、国民の大半が五輪の中止・再延期を要望している。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の発出や変異型への懸念もあり、「残念だけど、難しい」というのが冷静で、現実的な感覚なのだろう。

 だが、政府や国際オリンピック委員会(IOC)は、「絶対にやる」と言い続けている。国民を置いてきぼりにした前のめりの姿勢は、五輪開催でスポーツ本来の価値を実現するのではなく、政治とか経済とか、別の理由や思惑があるのだろうと冷めた目で見られていると思う。

 コロナ禍に見舞われ、スポーツ活動が制限されるようになってから、私は「スポーツの価値とは何だろう」と考えてきた。

ここから続き

 運転中、台所、お風呂で、何…

この記事は有料記事です。残り677文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

連載再考2020+1

この連載の一覧を見る