望めば結婚後もそれぞれの姓でいられる選択的夫婦別姓制度はいまから25年前、あと一歩で導入されかけたことがありました。当時、民法の改正案を答申した法制審議会で幹事だった小池信行弁護士(80)は、国会提案に向け、自民党議員への説明に回りました。その時何があったのか。尋ねてみると、いま再び議論を動かすヒントが見えてきました。

 

 ――法制審議会が夫婦別姓を認める民法改正案を答申したのが1996年です。その時の状況を教えてください。

 当時の法制審は、戦後十分に改正の議論がされていなかった民法の親族編の規定を全面的に見直すための審議をしていました。女性の再婚禁止期間や婚外子の相続分など様々な規定が見直しの対象になっていました。夫婦同姓を義務付ける規定も、そのうちの一つでした。法制審では、選択的夫婦別氏制度の導入については、積極的な意見が圧倒的に多数でした。別氏夫婦の子の氏も別々でいいという柔軟な意見が主流であったように思います。

 ――それなら国会に法案を提出…

この記事は有料記事です。残り2051文字
ベーシックコース会員は会員記事が月50本まで読めます
続きを読む
現在までの記事閲覧数はお客様サポートで確認できます
この記事は有料記事です。残り2051文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
この記事は有料記事です。残り2051文字有料会員になると続きをお読みいただけます。