「五輪、無観客の検討を」 都医師会長、医療逼迫を懸念

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荻原千明 聞き手・荻原千明
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 今夏に延期された東京オリンピック(五輪)・パラリンピックについて、東京都医師会の尾崎治夫会長が今月中旬、朝日新聞の取材に応じ、「無観客で開催できるかどうかを検討すべきだ」と述べた。新型コロナウイルスの感染者数が高止まりし、都内の医療体制が逼迫(ひっぱく)していることを踏まえ、政府や大会組織委員会に現実的な対策を示すよう求めたものだ。

 大会計画では、医師や看護師ら計1万人以上が競技場や周辺の救護所で選手や観客の医療にあたることになっており、都医師会の医師らはその中核を担う。政府や組織委は新型コロナの感染状況を踏まえ、3月ごろまでに観客を入れるかどうか判断する予定だ。都医師会の協力が得られなければ、円滑な運営は難しくなる。

 都内では現在、1日あたりの感染者が週平均で1500人超確認され、新型コロナ患者約3千人が入院する状態が続く。入院患者は7月24日に1千人を超えて以降、900人を下回ったことがない。

 尾崎会長は取材に、新型コロナ対応が長期化するなか、病院スタッフは疲弊し、PCR検査や自宅療養者の支援などで診療所の負担も大きいと指摘。「色んな国から人を呼び、世紀の祭典をやろうという発想は捨てないと無理」と厳しい認識を示した。一方で「選手のことを思えば、開催できたらいい。五輪の本来の目的は、選手が集まり、競技できることだろう。そこに目標を置くなら、無観客から議論を始めるべきだ」と強調した。

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