「相談内容が重くなった」 コロナで社会支援団体も疲弊

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有近隆史 浜田知宏
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 新型コロナウイルス感染拡大の影響が長期化し、社会支援活動に取り組んできた団体などが苦境に陥っている。感染を広げないためにこれまでのような活動ができないことに加え、資金繰りも厳しくなっている。何とか活動を続けられるようにと、新たな支援の動きも広がっている。

「融資を受けられない」

 公益社団法人「青少年健康センター」(東京)は、ひきこもりという言葉もまだ社会に定着していなかった1980年代から、ひきこもりや不登校といった生きづらさを抱える若者を支援してきた。

 活動の主軸は「茗荷谷クラブ」(東京都文京区)という居場所の提供。事務局長の時盛昌幸さんは「ひきこもりなどの若者は他者とコミュニケーションをとる経験に乏しい。臨床心理士精神保健福祉士らのスタッフを介し対人関係を作り、『青春の再体験』をしてもらうのが目的」と話す。ボランティアによる電話相談(03・5319・1760、平日の午後1~6時)も行っている。

 ただ、コロナの影響が大きくなり始めた昨年の春前から活動自体が難しくなってきた。緊急事態宣言が出た際には、茗荷谷クラブは活動を休止、電話相談も継続が難しくなった。

 宣言が解除された頃から、活動の「オンライン化」を検討し始めた。スタッフから「オンラインでは難しい」との声も上がったが、「それしかできない以上、何もしないよりはやったほうがいい」(時盛さん)と居場所もオンライン化し、つながりを維持できるように心がけた。

 電話相談も在宅でできるよう、センターにかかってきた電話を相談員に転送する仕組みを整えた。さらにLINEなどSNSを使って相談を受け付ける仕組みも検討し始めた。

 ネックになったのが資金繰りだ。SNS相談でセキュリティーを確保しようと思えば、費用がかかる。だがコロナ禍で、収入の半分ほどを占める自治体からの委託事業も休止となり、職員の給料もギリギリ捻出する状態だった。

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 そこで頼ったのがクラウドフ…

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