新型コロナウイルスの猛威が収まらぬ中、今年も沖縄や宮崎で春季キャンプがまもなく始まる。昨年もこの時分、新型コロナの影響はじわじわとあった。でも、今年の警戒度は昨年とは比べものにならない。まさに「厳戒態勢」で選手も首脳陣も臨む、異例のキャンプになる。

　とはいえ、春季キャンプが「球春」の到来を告げてくれるのは例年と変わらない。新人選手にとっては、プロの空気と実力を肌身で知る最初の機会になる。愛知・中京大中京高からドラフト1位指名で入団した高橋宏斗選手（18）も、新たな第一歩に向けて心を躍らす一人だ。

　「キャンプに入れば、全員がライバル。しっかりアピールしていきたい」

　そう、先輩も、同期入団も、仲間であるのと同時に、同じ野球でメシを食っていく競争相手になる。高橋選手の言葉からは、この世界で生きていく決意と、地に足をつけた落ち着きを感じる。

　プロの世界では、何から何まで指導者が教えてくれるわけではない。高校時代には制約があってできなかった様々なことにいま、高橋選手は挑戦している最中だ。

　練習前にお風呂に入ることも…