「仕組み債売らない」いちよし証券 高リスク商品扱わず

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吉田拓史
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 仕組み債など複雑な金融商品を勧められるまま買い、大損する。そんな個人投資家が多い中、いちよし証券はこうしたハイリスク商品を「売らない」と宣言している。かつて積極的に扱ったが、玉田弘文社長は「中長期的な資産形成にそぐわないものはやらない」と話す。買いたがる人にも売らない。それが「お客様第一主義」だという。

 同社は仕組み債に加え、低格付け債、私募ファンド、個別外国株、先物・オプション、FX(外国為替証拠金取引)といった、ハイリスクの6商品を扱わないとし、これに「投資運用会社は信頼性と継続性で選ぶ」を加えた7項目を「いちよし基準」としている。2000年ごろに設けた。

 「お客様に迷惑をかけたことがきっかけだ」と玉田氏。1996年に米ドルの仕組み債を売り始めたが、98年に売り出した時点で投資家が損する相場になったことがあった。売るわけにはいかず、会社が数億円の損をかぶった。「こんなものを売ってちゃダメだ」という空気が社内に広がった。

 その後、業界では日経平均リンク債やEB債(他社株転換債)といった仕組み債がよく売れるようになったが、手を出さなかったという。

 玉田氏は「仕組み債は短期で大きなリターンを出したい人が買うもので、そういう人がいるのも事実だ」と言う。しかし、顧客の大半は中長期で少しずつ安定した収益を求めている。そのため、短期勝負のハイリスク・ハイリターン商品からは手を引いているという。

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 また、仕組み債は表面上は手…

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