第6回ゴジラはヒバクシャ、悲運背負って 宝田明さん語る決意

有料記事核といのちを考える 核禁条約発効へ

聞き手・武田肇
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 映画「ゴジラ」シリーズで主演を務めた俳優の宝田明さん(86)に、核兵器禁止条約への思いや、ゴジラの作品が訴えかけるメッセージについて聞いた。

「ゲテ物じゃなく、文明を問い直そう」

 1945年8月、米国が広島、長崎に投下した原爆によって、その年だけで21万人以上の命が奪われました。そして戦争の影が薄くなった54年、太平洋のビキニ環礁でアメリカは水爆実験をしました。静岡県のマグロ漁船「第五福竜丸」が「死の灰」を浴び、無線長の久保山愛吉さんが亡くなったことは、日本中に衝撃を与えました。

 当時20歳。「東宝ニューフェース」として初めて主役に起用された「ゴジラ」は、3度の核被害を受けた日本人が、世界に向けて核の恐怖を発信するという思いで制作した作品でした。俳優も制作陣もみんな戦争体験者。若きプロデューサーだった田中友幸さんが「この映画はゲテ物などと言われる映画にしたくない。文明というものを問い直そうという作品だ」といったあいさつをしたことが今も鮮明に残っています。

「俳優であるため政治的発言を控えていた」という宝田さん。なぜ、語り始めたのか―。

「憎っくきゴジラ」ではない

 海底に暮らしていた巨大生物…

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