小椋佳、覚悟のラストアルバム 林部智史に託したもの

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定塚遼
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 「体が言うことを聞かなくなってきて、もう本当に限界だな、と自分で思います。やり残したことは、あんまりありません」。77歳になったシンガー・ソングライターの小椋佳さんが、ラストアルバムとして位置づける「もういいかい」が20日に発売された。同時発売のアルバム「まあだだよ」で小椋が歌を託したのは、40歳以上年の離れた歌い手・林部智史だ。

 「愛燦燦(さんさん)」「シクラメンのかほり」「夢芝居」「山河」……。1971年のデビュー以来、日本を代表するヒットメーカーとして数多くの楽曲を世に送り出してきた。デビューから半世紀を迎えた今年、ラストアルバムとラストツアーをおこない、第一線から身を引く決断をした。

 「黒澤明監督の遺作が『まあだだよ』だったから、僕の遺作になるアルバムは『もういいかい』にしようかな」。全13曲。装飾やギミックをそぎ落とし、ユーモアを交えながら自らの老いや死、人生観をこれでもかとさらけ出し、落とし込んだ詞世界は、聴く者が思わず背筋を伸ばすような凄(すご)みに満ちている。

 「自分で言うのは残念だけど…

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