職場で入れたて ネスレ日本前社長のイノベーション

有料記事ほんまもん

聞き手・生田大介
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 今や受験生の「お守り」ともなっているネスレ日本(神戸市)の菓子「キットカット」。その仕掛け人だった前社長の高岡浩三さん(60)はほかにもヒット商品を連発し、マーケティングの世界で広く知られる存在だ。日本経済の再生に欠かせない「イノベーション」はどうすれば起こせるのか。聞いてみた。

「きっと勝つとぉ」の方言

 ――ネスレの子会社時代に、チョコレート菓子「キットカット」のキャンペーンがヒットしましたね。

 「きっかけは九州の担当者から『きっと勝つとぉ』という方言との語呂合わせで受験生に人気だという情報が入ったことです。そのアイデアをいただいて全国に広げました」

 ――職場で入れ立てのコーヒーが飲める「ネスカフェアンバサダー」も広く浸透しました。

 「主力商品のネスカフェは家庭内の消費が中心でしたが、核家族化で家でみんなでコーヒーを飲む機会が減り、ビジネスが厳しくなっていました。代わりに多く飲んでいる場所は職場でしたが、そこではおいしいコーヒーを安く飲む手段がありませんでした。自動販売機でも100円以上するし、コンビニに行くのも大変。そこで家庭にあるようなコーヒーマシンを職場に置き、1杯20~30円で飲めるようにしたのです」

 ――ネスレ日本の社長を退任後も、そうした成功体験をふまえて仕事をされているそうですね。

イノベーションをどうやったら生み出せるのか。そのヒントを記事後半で詳しく紹介します。

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 「現在は『ビジネスプロデュ…

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