北海道のサンマ漁、半減の衝撃 値上げでもカバーできず

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大野正美
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 サンマ漁の不振が続いている。昨年の全国のサンマ漁獲量は前年より3割近く減り、2年連続で過去最低を更新。北海道内ではほぼ半減となった。資源量の減少が指摘されるなか、漁船が向かう場所も変化しつつあり、根室・花咲港が2010年以来守ってきた「水揚げ量日本一」の座を本州の港が脅かしている。

 全国さんま棒受網漁業協同組合(全さんま)によると、20年の全国のサンマ水揚げ総量は、前年比27%減の2万9566トンだった。1990年の31万トン超の10分の1以下だ。

 道内の港では、花咲が前年比47%減の8616トン、釧路が88%減の151トン。道内の水揚げ総量は46%減の1万1613トンだった。

 一方、本州の港は大船渡(岩手)が3%減の6238トン、女川(宮城)が11%増の5060トンで、道内に比べると堅調だった。岩手、宮城2県の港の水揚げ総量は1万7137トンで、道内の1・5倍近くだ。

 注目されるのは漁船1隻あたりの水揚げ量だ。岩手、宮城は約29・8トンで、道内の約13・1トンの2倍以上。その背景にあるのが、サンマ漁場の変化だ。

 棒受け網漁は8月以降に解禁され、漁期前半は道東の港近くの公海やロシア200カイリ水域が主漁場となる。しかし、この時期は不漁が続く。一方で10月下旬以降に漁獲が伸びる傾向もあり、特に昨年は道東と三陸からほぼ等距離の、約500キロ離れた公海に主漁場が形成された。多くの漁船は三陸の港に水揚げし、これらの港の水揚げ量を支えることとなった。

 最近の不漁でサンマ漁場は日本沿岸から遠い公海が主となっており、操業回数は大きく減った。「10年前に20万トン捕ったころは1万回近く操業したが、昨年は1505回。漁獲減につながっている」と全さんまの大石浩平専務理事はいう。

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 品薄となったサンマの単価は…

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