書籍の「総額表示」義務化、なぜ必要? 出版界に危機感

有料記事

滝沢文那
[PR]

 書籍の価格表示は現在、「本体○○円+税」といった消費税の金額を記さない表記が一般的だが、4月からは消費税込みの総額表示が義務化される見通しだ。書籍は息の長い商品が多く、カバーの掛け替えなどで膨大な費用と手間がかかるという懸念が広がる。出版界からは、現状の表記の維持を望む声が上がっている。

 商品価格は、2004年に消費税法改正で総額表示が義務づけられたが、その後の段階的な消費増税を見越して、消費税転嫁対策特別措置法で13年から21年3月まで書籍に限らず、期間限定で免除されている。

 期限が近づく中、大手を含む400の出版社で作る日本書籍出版協会(書協)などは、19年から特例の継続を求めてきたが、昨年9月に財務省が改めて予定通りの義務化を説明。それを業界紙が報じると、ネットを中心に危機感が広がった。出版関係者や作家らがツイッターなどで反応し、「#出版物の総額表示義務化に反対します」というハッシュタグも拡散した。

 これを受けて、中小出版社が多く加盟する日本出版者協議会は、特例の無期限延長などを求める声明を発表。当初「大きな混乱はない」としていた書協も、加盟社へのアンケートを急きょ実施。業績悪化につながるなどの回答が多く、11月に改めて特例の延長を財務省に求めた。12月には、小規模出版社などが集まって、価格表示の自由化など消費税法そのものの改正を求める提言を出した。

お上が言うことだから…

ここから続き

 では、総額表示になると、ど…

この記事は有料記事です。残り1014文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら