アリエッティ、マーニー…誕生秘話を米林宏昌監督が語る

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聞き手・波多野陽
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 「借りぐらしのアリエッティ」「メアリと魔女の花」など、印象的な少女たちが主人公のアニメーションを手がける米林宏昌監督(47)=石川県野々市市出身。生き生きとした描写に欠かせないものは。かつてスタジオジブリで間近に接した宮崎駿監督とのアプローチの違いは。過去と現在地を語ってもらった。

 ――絵を描き始めたきっかけは?

 子どもの頃から漫画が好きで、「少年ジャンプ」を読んで、鳥山明先生などのまねをして絵を描いたり、自作の漫画を家族に見せたりしていました。妹がいたので少年漫画よりも「りぼん」とか、少女漫画をよく読んでいました。クラスで壁新聞を作るとイラストの担当でしたね。

 ――芸術を志していたから金沢美術工芸大学に?

 高校は理数科だったんです。美大を目指したのは3年生の時。ぎりぎりでした。やっぱり絵をやりたくて、そこから勉強しました。周囲に美大に行く人はあまりおらず、この時が人生を決めた最初のターニングポイントでした。

 入ったのはデザイン科です。油絵や日本画といった純粋美術は違うなと思っていました。孤独に作品と向き合うのではなく、チームで作る美術をやりたくて。

 ――アニメーションとの接点は?

 当時は美大でも映像の授業は多くなかったですが、地元にCMのアニメを作る小さな会社があって、上の世代の美大の学生がアルバイトをしていたんです。すすめられて加わったのが出会いでした。ランドセルのCMのアヒルちゃんとか、いろんなキャラクターを描きましたね。当時はセル画に筆と絵の具で色を塗っていました。結局、スタジオジブリに入るまで3年間やっていました。僕の作った結構な数のアニメがCMとして日本各地で流れていたはずです。

 ――大学を中退してスタジオジブリに入社しました。

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 これも美大進学と同じでぎり…

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