「政治のしわ寄せ官僚に」帰宅は朝4時、悪循環の霞が関

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楢崎貴司 坂本純也
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 新型コロナウイルス対応も相まって、国家公務員たちの働き方が問題になっている。中央省庁などで過酷な長時間労働が続くなか、政策立案の担い手たちの流出も深刻化。政府は省庁の勤務状況の実態調査に乗り出すなど、改めて対策に乗り出す構えだ。

 午前3時に仕事を終え、タクシーで1時間ほどかけて自宅へ。シャワーを浴びて、うとうとすること2~3時間。電車に揺られて霞が関の職場に戻ると、男性職員たちは椅子を並べて眠りこけていた――。

 キャリア官僚の30代の女性は、国会開会中などの繁忙期の勤務実態を取材に語った。「国民に『働き方改革』を求める国家公務員が、最も『ブラック』な働き方を強いられている」と話す。

与野党の対立 「官僚が尻ぬぐい」

 担当課に届くメールは1日500通ほど。10年前から2倍以上になった。国会議員が政策課題ごとに設けているプロジェクトチームで政策説明をするための準備作業に追われる日々が続く。

 国会開会中は議員から質問通告が届くのを待つ。議員に自ら面会を求めて内容を聞き出すこともある。答弁を控えた翌朝の「大臣レク」に間に合わせるため、深夜の資料づくりを余儀なくされる。

 政府のコロナ対策本部が立ち上がると、女性の職場でも職員が本部に派遣され、留守を預かる側と双方に負担がのしかかった。コロナの前から長時間労働が原因で健康を害する若手は増えていた実感はあるが、パンク状態に陥りつつあるという。女性は「慢性的な人手不足。国民のために政策をつくる仕事にもう少し、専念させてほしい」と嘆いた。

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