古事記の世界「まるで大河小説」 三浦佑之さん読み解き

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上原佳久
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 ベストセラーとなった『口語訳 古事記』で知られる古代文学研究者、三浦佑之さん(74)が新著『読み解き古事記 神話篇(へん)』(朝日新書)を出した。「古事記が本当に語りたがっていること」に耳を澄ませて神話を読み解き、古代の日本列島に生きた人びとが抱いた多様な世界観を浮かび上がらせた一冊だ。

 太陽神アマテラスや荒ぶる神スサノヲをはじめ個性豊かな神々が登場し、一つの大きなストーリーを織りなす古事記の神話。三浦さんは「まるで大河小説」と評するその世界を、国文学はもとより、考古学の新しい研究成果も参照しながら解説した。

 高天(たかま)の原(はら)を追放されたスサノヲによるヤマタノヲロチ退治の神話の場合、それに先立って、スサノヲが五穀の女神オホゲツヒメを殺害していることに着目。そこから、地上に稲作をもたらした起源神話として読み解いていく手つきは、さながら「推理小説の謎解き」の趣もある。

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 古事記は8世紀前半、ヤマト…

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