高齢父の精子、子の自閉症に影響? マウス実験で東北大

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市野塊
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 高齢の父親から生まれた子どもは自閉症などの発達障害が生じやすくなる可能性があるとするマウス実験の結果を、東北大などのチームが発表した。加齢で精子のDNAが変化することが影響するとみている。欧州分子生物学機構の学術誌で5日、公表された。

 自閉症などの神経発達障害は、世界的に増える傾向にあるとされる。原因の一つに親の高齢化が指摘されているが、中でも父親の影響が強いとする研究結果がある。

 東北大の大隅典子教授(神経発生学)らは、高齢(ヒトの50代程度)の雄を親にもつ子(39匹)と、若い雄の子(57匹)の鳴き声を比較。高齢の雄の子は鳴く頻度が減り、単純な鳴き声が増えた。複数の先行研究などから、こうした傾向は、発達障害の一つである自閉症やアスペルガー症候群が起きるようにしたモデルマウスによくみられることが知られているという。

 また、脳の発達の程度を測るため、知覚や記憶にかかわる一部の大脳皮質の厚さを調べたところ、高齢の雄の子のほうが薄かった。チームは、神経細胞の減少によって大脳皮質が薄くなり、自閉症のような症状が生じる可能性があるとみている。

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 さらに、若い雄の精子(4匹…

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