目の難病患う創価大・嶋津雄大 再び快走、往路Vに貢献

堀川貴弘
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 箱根駅伝の往路は、2年連続4回目の出場の創価大が大会前の予想を大きく覆して初優勝を飾った。

 立役者は、4区を区間2位で走った嶋津雄大(3年)だ。2位でたすきを受け、5・6キロ地点で東海大を抜いてトップに立つと、5区の中継点では、2位の駒大に1分42秒差をつけてたすきを渡した。終盤こそ足のけいれんからスピードダウンしたが、序盤からリラックスしたフォームで走り抜いた。

 嶋津は昨年の大会の10区で区間新をマークして9位に滑り込み、チームを初のシード入りに導いた。ただ昨春に大学を休学。9月に復学したばかりだった。

 「ゼロからのスタートだった。最初は、走り方を忘れた感じだった」。たった1人で北海道・深川で1週間、泊まり込みで練習し、徐々にジョギングのペースをあげていった。10月の記録会では、1万メートルで29分1秒84の自己ベストをマーク。「みんなのおかげでここまでこられました」と感慨深げだった。

 暗いところで物が見えづらくなる網膜色素変性症という難病を患っている。そのため、冬場は、早朝のまだ明るくない環境では、外での練習に支障が出る。この日も「自分の感覚では少し(病状が)進行しているように思う」と言う。目の病気で苦しむ人に勇気を与えたいと、常々語っている。

 レース後、「とにかく、任された区間を走り切ることを目標にしていた。トップでたすきを渡すことができ、役割を果たせました」と満足そうに話した。(堀川貴弘)

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