【アーカイブ】(70年目の首相 思想⑤)「九段下会議」からの提言

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 首相辞任を表明した安倍晋三氏。1993年、38歳で国会議員になった安倍氏は「保守本流」と言われた軽武装・経済重視路線とは別の、もう一つの「保守」に身を投じます。その思想の底流を連載で探ります。(敬称略、年齢は掲載当時)

【2015年6月30日4面】

 「国家解体阻止宣言 『平成の革命勢力』を打ち砕いて日本の大本を改めよ」

 月刊誌「Voice」(2004年3月号)に大見出しが躍った。「緊急政策提言」と銘打たれたページには、次のような政策がずらりと並んだ。

 「憲法改正はまず九条二項の削除を▽歴史認識の見直しは「村山首相談話」の撤廃から▽八月十五日の首相靖国神社参拝を慣例化せよ▽集団的自衛権行使の意志確立を――」

 宣言文には、北朝鮮の核開発問題に関連し、「日本は憲法改正はもとよりのこと、核武装をも考慮の中に入れざるを得まい」という一文もあった。

 執筆者には、伊藤哲夫(日本政策研究センター代表)、中西輝政(京都大名誉教授)、西尾幹二(電気通信大名誉教授)、八木秀次(麗沢大教授)らが名を連ねる。「九段下会議」と名乗り、事務局は伊藤の日本政策研究センター内に置かれた。

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 背景には、彼らの強い危機感…

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