堀川貴弘
2021年の箱根駅伝は、1年生が熱い。例年、「スーパー1年生」と呼ばれる選手はいるが、今回は例年にも増して数多くの1年生の活躍が期待されている。明大の児玉真輝は1区を走り、トップと1分6秒差の16位で2区にたすきをつないだ。
1万メートルのタイムが28分台の選手が14人と、古豪・明大は72年ぶりの優勝の期待がかかる。そんな粒ぞろいのチームで、1年生でただ1人メンバー入りしたのが児玉真輝だ。
昨年11月の全日本大学駅伝でも1区を走り、トップから8秒差の5位でたすきを渡して流れを作った。明大は「3強」の一角、青学大を上回る3位に食い込んだ。
児玉は全日本の走りを「同じ1年生で区間賞をとった三浦龍司君(順大)に負けたのは悔しかった。それでも、前半は落ち着いて走ることができ、ラストスパートにもある程度対応できた」と振り返る。
その後、昨年11月21日の記録会の1万メートルでは、それまでの自己記録を1分以上も縮める28分22秒27をマークした。12月上旬に右足裏を痛めて少し練習を休んだものの、現在は痛みはとれて順調な仕上がりという。
「記録会の1万メートルのタイムには正直、自分でも驚いている。靴の力を借りた、というのもあるけれど、それでも思っていた以上に走れた」
高校生の時から「厚底シューズ」を履くのが当たり前になっているなかで、神奈川・鎌倉学園高時代の児玉はトラックでもロードでも「薄底」にこだわってきた。
「厚底で出した記録が確実に残…