第7回コロナでも恋人と「会いたい」 オンラインでダメな理由

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小川崇 伊木緑 小早川遥平
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 日曜日の夜、JR名古屋駅新幹線乗り場には、スーツケースや大きなリュックを手にしたカップルたちの姿が目立つ。マスクをつけたままキスをしたり、ずっと抱き合ったままだったり……。つかの間の週末を一緒に過ごした恋人たちは、この場所で再び別れの時を迎える。

 「気を付けてね」

 12月中旬、辻満由子さん(26)は博多行き新幹線のホームで、山口県に戻る恋人の男性(25)に手を振った。交際を始めてから約2年。いつも別れ際に「バイバイ」とは言わない。感傷的にならないように、笑って次に会う約束をする。

 この時は1カ月ぶりの再会だった。手をつなぎながらのデート。スマホで記念写真を撮り、出店のソーセージを一緒に食べた。時間はあっという間に過ぎた。

 彼に会えるのはうれしいが、モヤモヤする気持ちもある。「もしも彼に感染させたら、私が感染したら」。新型コロナウイルス対策の消毒液で、デート中はいつもアルコールのにおいがしている気がする。

失業、彼にも会えず

 新型コロナウイルスの感染が急速に広がり始めた春先、2人の生活は一変した。政府が緊急事態宣言を出し、街頭から人影が消えた。それまでは、約700キロ離れていても定期的に会えていたのに、巣ごもり生活で簡単には会えなくなった。

 愛知県でドッグトレーナーとして働いていた辻さんは、コロナ禍の影響で仕事の依頼が徐々に減り、5月にはゼロになった。だが、なぐさめてほしい時、そばに彼はいなかった。

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 少しでも一緒にいる気持ちに…

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